病院で医療事務の仕事をしている紀美子さん(仮名)は、30代の女性。責任感が強く、きっちりと仕事をこなすことで、職場の信頼を得てきた。
ところが、その紀美子さんが困り果てる事態が起きた。発端は、事務全般を切り盛りしてきたベテラン主任の退職。紀美子さんの負担が増えたところに、採用された新人女性が事態を悪化させてしまったのだ。
新人女性は明るくよく喋る人で、最初は紀美子さんも「感じのいい子」だと思っていた。ところが、一緒に仕事をするようになると、次第に問題が出てきた。カルテを出している途中で他の仕事を言われると、出しかけていた患者さんのカルテを置きっぱなしにしたまま忘れてしまったり、重要な連絡を伝え忘れていたり、とアバウトな性格が目立つようになったのだ。
最初は、慣れていないせいだと思い、ミスを防ぐ方法を指導した。でも、口では「気をつけます」と言うものの、我流のやりかたで適当にやり、同じミスを繰り返す。最近は職場に馴れてきたこともあり、仕事ぶりがさらにいい加減になり、ミスが減るどころか増えている始末。患者さんや医師に叱られるのは、上の立場にある紀美子さんだ。なのに新人女性は悪びれず、調子よく周囲に甘えている。事務長や医師も「明るくていい人が来たね」と言ったりするので、紀美子さんは参ってしまったというわけだ。
最近では、新人女性の顔を見ただけで嫌悪感を覚え、声を聞くと虫唾が走るようになった。眠りも浅く、イライラし、気持ちも沈んでしまい、「彼女を雇い続けるのなら、こっちが辞めたい」とまで思い詰めている。
■相手を異物として認識し拒否反応を起こす「人間アレルギー」とは
「一度くらい不快な目にあっても大目に見ようという意識が働くのが普通でしょう。しかし、いくら寛大な人でも、同じような迷惑を繰り返しかけられ、それについてお願いや注意をしても改善の兆しがなく、同じことを繰り返されると、相手に対する心理的なアレルギーが生じてしまいます」
「身体のアレルギー反応と同じように、人間の心には人間を拒絶する仕組みがあるんです。私はそれを『人間アレルギー』と呼んでいます」
ある物質が異物として認識され、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)となることを感作というが、「相手の言動に小さな違和感や不快感が芽生えた段階で心理的感作が起き、異物として認識されるとともに、心理的抗体が生まれます。そして、相手からの意に反する行動や不快な態度がひきがねとなって、激しい怒りや拒絶反応が誘発されるのです」
そもそも、異物かどうかの認識はどのように行われるのだろうか。容姿や社会的地位、趣味や教養、経済力、学歴、性格など判定の材料はいろいろありそうだが、主な基準は「自分を害することがないか」と「常識やルールを共有できるか」の2つだという。
最初のうちは素敵な人だと思っていたのが、ある時期を境に次第に違和感や不快感が芽生えている――そういう人は、相手が異物の基準に抵触していないか、見直してみたほうがいいかもしれない。
この様な状況 ご自身が辞める必要はありません 害のある人間に 等の浮てもらえばいいのです お困りなら 弊社に相談してください