【浮気とみなされないケース】
・パートナー以外の異性と一緒に食事をした
・手をつないだ
・ふたりで見つめ合った
・軽くキスをした
・誕生日にプレゼントを贈った
・バレンタインデーに手作りチョコを贈った / 受け取った
・合コンや婚活パーティーに出て不特定多数の異性と会った
・親密な内容のメールをやりとりした
・FacebookなどのSNSで親密なメッセージを交換した
・出会い系サイトに登録して親密なメッセージを交換した
・ビデオチャットサイトで画面越しに互いの裸を見せ合った
こうして見ると、私たち一般人が想像していた浮気のラインよりずいぶんと甘く感じられないだろうか。
ただし上記の行為がすべて絶対にセーフとは限らない。たとえば軽いフレンチキスではなく濃厚なキスを何度も長期間にわたって繰り返し、それが写真やビデオで証拠として残っているケース。これは裁判で「エッチしている証拠はないけど、この2人はキスより先の行為も絶対やってるよね」と判断される可能性が高いというのだ。メールの場合も同様。親密なメールが多数、何ヶ月にもわたって継続的にやりとりされていれば、メールのやりとり自体は不貞行為にはならないが、その親密な内容や頻度から、性的関係が十分うかがわれるということで不貞行為の存在が認定され、慰謝料が発生してしまう可能性がある。
また、出会い系サイトやビデオチャットで性的なデータをやりとりするだけなら不貞行為にはならないが、妻が「あんなのにハマるような夫とは一緒に暮らせないわ!」と感じたら、離婚原因になり得ることもある。そうすると不貞行為に対してではなく“婚姻関係を破綻させた賠償”として、結局は慰謝料を支払わされる可能性もあるという。
浮気のラインが法律で甘めに設定されていることについて、小川弁護士は次のように語る。「道徳的な不貞行為と法的保護に値する不貞行為は違います。あくまで法律は道徳の一部を切り出しただけで、よほどひどい行為に対して『慰謝料の形で被害者を保護してあげなければ絶対にかわいそうだ』という部分を定めているに過ぎません。法律上は問題ないからといって、何をやってもいいわけじゃないんです」。
まさにその通り。「エッチさえしなけりゃいいや」と調子に乗って遊びすぎると、思わぬしっぺ返しを食らうかもしれないことは肝に銘じておきたい。