全く駄目な主人と離婚したけど、どうにか出来ませんか?といったご相談を頂きましたので、今回はこちらについてご説明したいと思います。
ご相談者様は主婦の由紀子さん(仮称)としておきます。
全く駄目な理由については、読んで字のごとく、何一つ男としてよいところがないの意味ですが、その一番の原因は金銭的な問題です。
この話を聞いて、とにかく理解できない事が沢山ありますが、ご説明を続けます。
由紀子さんの家庭では、ご主人の稼ぎでは生活が出来ない状態であり、由紀子さんもパートで働いており、それを家庭に入れているにも関わらず、生活費が足りません。
その為、ご主人は毎月、こっそりと由紀子さんのご両親に対して、生活費としてのお金を借り入れしており、それで何とか、生活が出来ている状態。ご主人だけでは、日々の生活資金すら足りない稼ぎだそうです。
しかし、これだけではありません。
ご主人は、次から次から、私的な買い物を繰り返し、それでとうとう生活が出来なくなってしまい、由紀子さんクレジットカードで、ショッピングローンと、カードローンを繰り返してしまいました。
普通の生活をしていれば、何とかやっていける収入があったそうなのですが、とにかく次から次へと、趣味の品物を買い続ける主人。
一体この男は、何をそんなに購入しているのか?
なんと、フィギュア、スマートフォン、アニメのグッツなど、オタク系の買い物がその殆どを占めたとの事。
これらは、全てが趣味で購入するものであり、お金が余っていれば勝手も良いものであり、借金をしてまで、毎月新しく販売される商品を購入するものではありません。
しかし、元々入ってくるお金が足りていない訳ですから、この無謀な買い物が永遠に続く訳はありません。
どうなったかといえば・・・。
ついに由紀子さんのクレジットカードの支払いが滞ってしまい、とうとう、由紀子さんは自己破産をしてしまう事になりました。
このお話を聞いたときに、理解できなかったのは、自分の妻名義のクレジットカードで趣味のアニメグッツの買い物をしまくって、支払い不能になった際に、妻だけに全ての責任を推し透けて、自己破産させた件です。
由紀子さんのクレジットカードを勝手に使った訳ではなく、全て由紀子さんに指示をして購入させていたそうですから、詐欺にもなりません。
全て、由紀子さんが浪費した買い物として、法律上も認められてしまいます。
結婚詐欺などでは、このようなケースは良くありますが、実際に結婚している夫婦でここまで酷い話は、これまで聞いた事がありません。
結婚詐欺師も、普通に結婚する事が良くあるのですが、その際には、自分の妻に対しては、このような行為は行わない事が殆どです。あくまで、家庭の外の女性に対して、詐欺を行うのが普通です。
ご主人は、長年連れ添っている由紀子さんの名義で、余計なアニメグッツの買い物をクレジットカードで購入させており、支払いが出来なくなった時点で、自己破産を指示しており、その後は何くわぬ顔で普通に生活しているとの事。
こういったケースは、今回、私も始めて聞いた話です。
これまでは、夫婦でどちらかが連帯保証人になっており、その際に、離婚して、自己破産をしたら、連帯保証人になっている側は、自己破産せずにすむと聞いたのですが、大丈夫なのでしょうか?といった内容が殆どでした。
こういったケースは、その借金の金額も数千万円規模であることが多く、夫婦でそれを連帯して返済している場合です。
離婚すれば、夫婦で作ってしまった借金、及び連帯保証が免責されると思っている方が多いのですが、これは間違いです。
離婚しても、借金や連帯保証人から逃れる事はで来ません。借金を二人で返済するか、二人で自己破産をするかの、一蓮托生。
これが、夫婦で生活を営む事だと思っていましたし、借金の相談も、こういったケースが殆どでした。
ちなみに、こういった借金、及び連帯保証人で困っている人の職業の殆どが、経営者になります。ですから、経営者が事業資金として融資してもらった数千万円から数億円の借金は会社ではなく、経営者個人、その配偶者、親族などで、共有する事が、日本では当たり前となっています。
金額の大きさではなく、夫婦の借金は、夫婦で連帯して返済及びその責任を負うのが、共同生活のはずなのですが・・・・。
今回の由紀子さんとその主人は、全くこの概念を覆すものでした。
正直言って、自己破産前にご相談いただければ、この問題を解決して、由紀子さんは自己破産から免れる事が出来たかもしれませんが、既に自己破産をしてしまった後です。
それに、この件で、相当なショックを受けてしまい、精神的にも大変危険な状態になっています。
それで、何とかこの主人と離婚したいけど、離婚してくれない為、別れさせ屋についてネットで検索していたところ、私のブログにたどり着いたそうです。
別れさせ屋は何度も、このブログで取り上げていますが、別れさせ屋といった業種などは無く、探偵が別れさせ屋という、業種を名乗っているだけで、その実態は普通に探偵に過ぎません。
また、まともな探偵であれば、別れさせ屋といった業務を行う必要は全くないことも、既に過去のブログで何度も取り上げています。
別れさせ屋とは、結局のところ、まともな仕事を取ることが出来ない探偵が、素人の方を殆ど騙す形で行なっている、実現する事がない業務の一つに過ぎません。
分りやすく例えれば、自称占い師や霊媒師のようなものです。
ただ、本当に別れさせ屋といった業務を実現する事も不可能ではありませんが、その際は、相当優秀な人材を何人も雇う事になり、数千万単位の費用がかかる事も、過去のブログで書いている通りです。
別れさせ屋の被害金額は、私に相談いただいているケースで、80万円から160万円前後ですから、到底、数千万円単位の消費税にも届くものではありません。
ですから、由紀子さんが、たとえ別れさせ屋という探偵に、主人との離婚を依頼したところで、お金と時間だけがかかってしまい、その先には更に不幸な状況が待ち受けていると言う事になります。
では、由紀子さんはこの、全く駄目な主人と離婚する事は出来ないのでしょうか?
これについては、離婚する事は可能です。
ただし、このままでは、その願いは叶わず、ずるずると時間が流れてしまい、恐らくは、ストレスで由紀子さんは相当危険な健康状態になってしまうでしょうし、そもそも、主人の浪費癖も直る事はありません。
由紀子さんが自己破産してしまい、クレジットやローンが使えないのに、どうやって現在生活しているのか?と疑問に思われると思います。
これも、私は理解不能なのですが、なんと、このご主人は、今度は自分の両親に生活費として、毎月足りないお金を借金しているそうです。
しかも、由紀子さんに原因があるように話をしているそうですから、とんでもない男です。
由紀子さんは大変、ショックを受けています。
このご主人は、自分の名義は一切使わず、借金は、全て由紀子さんの名義にてこれまで行なってきており、由紀子さんはそれにずっと耐えてきたそうです。
知らない人がこの話を聞けば、離婚しろとか、何でそんな事をしているんですか?と言うかもしれませんが、それは素人の主観的意見に過ぎません。
実際に、家庭と言う小さな密室空間で、生活している人は、恐怖や何らかの使命感に縛られて生きている為、簡単に自分の意見を出せない事が良くあります。
鳥かごの中の鳥といえば、お分かりになるでしょうか?
鳥が自由になれるのは、鳥かごの中で死ぬ時か、運良く脱走できる時の二つに一つ。
それ以外は、永遠に狭い空間で、なにがあっても、文句も言えず生きていかないといけません。
由紀子さんは、そういった鳥かごの中の鳥と、同じ生き方をこれまで、してきた女性の一人です。
同じような状況に置かれている方は、沢山いらっしゃるのではないでしょうか?
これまで、経営コンサルとして、法人や経営層向けの借金や破産の相談を受けてくる事が殆どでしたので、個人のこういった借金や破産に関わる問題をうけるようになってから、新しい問題解決の案件が増えたように感じます。
由紀子さんは、今後、離婚に向けて、何らかの行動をとる事を決意されました。