◦離婚方法 離婚の仕方について
離婚は、夫婦が話し合って離婚することに納得してから離婚する方法と、家庭裁判所などの公的機関が夫婦の間を仲裁して離婚をするいくつかの方法があります。 夫婦当事者の話し合いだけでは、話が平行線だったり、まとまらない場合も多いので、弁護士を介入させたり、裁判で争う場合もあるのです。
離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つの方法があります。
協議離婚は、夫婦が話し合って離婚を決意し、離婚届を記入して市区町村役場に提出し、受理されるというかたちです。
調停離婚は、調停離婚の場を持って、調停員の仲裁で解決する場合をいいます。
審判離婚・裁判離婚は、話し合いでは解決しない場合や調停の場をもっても離婚の合意を得られない場合に公的機関(家庭裁判所など)で 行われる裁判による離婚方法です。
離婚を決意したら、離婚したい理由、離婚する目的に合わせて優位に離婚する方法を考えなければなりません。
夫婦二人だけの問題ではなく、親族間の問題や世間体などもあるために身内が離婚を認めない場合もあります。
まずは今現在の状況を踏まえて離婚できる方法を考えてみましょう。
◦離婚調停
夫婦の一方が離婚に同意しない場合や、離婚に同意できても慰謝料や財産分与の支払い金額が決まらない、 子供の親権争いや養育費の問題や相手が話し合いに応じないなど、 夫婦の話し合いがまとまらない場合には、離婚をしたい夫婦のどちらかが家庭裁判所に「離婚調停」を申し立て、家庭裁判所で離婚に向けての話し合いをすることになります。 この家庭裁判所にて話し合いを行なうことを離婚調停といいます。
離婚調停では、調停委員2名が夫婦双方から事情を聞きながら、夫婦がお互いに合意し、問題解決できるように仲裁してくれます。 夫と妻は別々で行われ、入れ替わりで調停委員と話し合いを行ないます。> 調停が成立するまでに数回の面談で半年程度の月日が掛かることがあります。 夫婦双方とも合意ができれば、調停調書が作成され、役所に離婚届が受理されれば離婚が成立します。
但し、協議離婚と同じで、夫婦双方の合意がなければ離婚は成立しません。 調停離婚には裁判離婚のような決定権や強制力はないのです。 調停が不成立となった場合は、調停離婚はできませんし、離婚は成立しません。 それでも離婚をしたい場合、通常は裁判を起こすことになります。 ◦協議離婚
民法第七六三条は「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる」と定めています。つまり夫婦二人の話し合いによる離婚が「協議離婚」で、 現実の離婚」の約九割以上を占めるもっとも基本的な離婚の形式です。
調停離婚や裁判離婚とは違って、弁護士や家庭裁判所の調停委員のような法的な専門家のアドバイスを受けないので、しっかりと 決めておくべき事がらを決めて、決め忘れのないよに注意しましょう。
●子供の問題
親権、面接交渉権などの問題について
養育費など金銭の問題について
子供の氏と戸籍の問題について、子供の氏は結婚時の父母の氏を称することになっているので、父母が離婚しても子供の姓も戸籍も変わらない。 離婚して旧姓を名乗ろうが、結婚中の姓を名乗ろうと、子供と「別姓、別戸籍」であることは変わりはない。 自分と子供の姓も戸籍も同じにするには、子供の住所地を管轄する家庭裁判所へ「子の氏の変更許可申立書」を提出し、 許可が下りると「許可審判書」が交付される。それを最寄りの市区町村役場へ「許可審判書」を添えて「入籍届」を提出する。 15歳未満の場合は、本人に代わって、親権者となった親が法定代理人として申立なければなりません。15歳以上であれば子供が自分で 姓の変更を申し立てることができます。
●氏と戸籍の問題
日本では、結婚して妻が夫の姓を名乗ることが多いので、離婚して姓をどうするかいう問題が起きるのがおおかた女性です。 原則としては、旧姓の戻りますが結婚していた時の姓をそのまま使うこともできるので、どちらかに決めなければなりません。但し、 結婚していたときの姓を継続して使用する場合には、「離婚の際に称していた氏を称する届」を離婚成立の日から3ヶ月以内に提出する必要があります。
離婚によって旧姓に戻った人は、実家の戸籍に戻るか、自分自身で新しい戸籍を作ることになります。 この時、結婚時の戸籍に残る子供とは、親権者となっても姓も戸籍も異なります。
●お金の問題
最大の関心事となるのがお金の問題です。
・慰謝料
・財産分与
・養育費
また、離婚の話し合いを進めているが、離婚成立までに時間がかかりそうな場合で、とくに夫婦どちらかに生活力があるような場合には、 生活力があるほうが、扶養料としての婚姻費用(生活費)を分担することになります。この費用は「離婚に際して」支払われるお金ではありませんが、 「離婚を前提として」支払われるお金です。
取り決めた内容は、後日問題がおこらないように、離婚時の契約書を作り、それに二人で署名捺印をして残しておくことが必要です。 取り決め内容が守られない時、すぐに強制執行ができるように、公的な文書で強制力を持つ「公正証書」にしておくことをおすすめします。 離婚公正証書とは、公証役場の公証人が作成する公文書のことです。公正証書を作成すると公正証書の原本は公証役場で保管されるため、 紛失や変造の心配がありません。
◦離婚手続き
離婚の手続きには、次のようになります。
離婚の話し合い
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話し合いでは解決できない、協議が不成立の場合・・・家庭裁判所に調停の申し立てを行ないます
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家庭裁判所への調停の申し立て
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調停での話し合いになります。 調停員が夫婦のそれぞれに意見を聞きます
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調停成立の場合・・・離婚協議書を作成して離婚となります
調停不成立の場合・・・審判でも離婚が決まらない場合には離婚裁判へと発展します
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調停に代わる審判・・・2週間以内に当事者から異議申し立てがない
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離婚裁判・訴状作成・・・通常弁護士に依頼する
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家庭裁判所から地方裁判所へ移ります
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判決、敗訴したほうが控訴しない場合は離婚成立へ
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役所へ判決正本と確定証明書を提出
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離婚成立
◦離婚裁判 離婚訴訟
協議離婚、調停離婚でも離婚が成立しない場合に離婚の訴えを起こした者を原告とし、その配偶者を被告として 家庭裁判所に離婚訴訟を起こして裁判を行うのが離婚裁判。ここで成立した離婚が裁判離婚です。
協議離婚・調停離婚では法定離婚原因は必要ありませんでしたが、離婚訴訟を起こすには民法が定めている「法定離婚原因」が必要となります。
法定離婚原因とは
●配偶者の不貞
肉体関係を伴った浮気や不倫行為で、一時的なものか継続しているか、愛情の有無は関係ありません。
●配偶者の悪意の遺棄
夫婦の同居義務、扶助義務や協力義務を不当な理由により実行しない場合です。
生活費を渡さない、家族と別居して愛人と同居している場合です。
●配偶者の生死が3年以上不明な場合
3年以上配偶者からの連絡が途絶えて、生死も不明な場合です。
7年以上の場合には家庭裁判所に失踪宣告を申し立てる事が出来ます。
確定すると配偶者は死亡したものとみなされ離婚が成立します。
音信不通でも生きていることが判断できる場合には該当しません。
●配偶者が強度の精神病で、回復の見込みがない
配偶者が強度の精神疾患に冒され、回復する見込みがなく、夫婦生活に必要な役割分担や協力が十分に果たせない状態を言います。
「アルコール中毒、薬物中毒、ヒステリー、ノイローゼ」などは、健康状態にあたり離婚原因とは認められません。
●その他の婚姻を継続しがたい重大な理由がある
性格の不一致・配偶者の親族とのトラブル・多額の借金・宗教活動・犯罪による長期服役・暴力(DV)・ 虐待・ギャンブルや浪費癖・性交渉の拒否など、夫婦関係が修復不可能なまでに破綻し、夫婦として 生活を継続するのが困難な状況であるとき、離婚原因として認められる重大な事由のことです。
離婚原因として認められるかどうかは裁判官の判断によりますが、離婚理由としての離婚決定に不足する離婚原因でも、 複数の事由により、精神的、肉体的、経済的に極めて過酷な状態にあれば、離婚原因として認められる場合があります。
◦審判離婚
家庭裁判所で離婚調停が行われて、離婚調停が不成立に終わった場合や離婚成立寸前で夫婦のどちらかが出頭義務に応じない場合 家庭裁判所が調停委員会の意見を聞いて独自の判断で離婚を成立させるもある。 これが審判離婚です。
この審判に異議を申し立てた場合、次は裁判離婚へと進みます。
夫婦双方にとって公平な結果になるように離婚や、親権、財産分与、慰謝料などの決定を行ないます。
夫婦双方から、2週間以内に審判に異議がなされなければ離婚は成立します。
審判離婚は、家庭裁判所の審判によって離婚を成立できますが、その審判が下されるのは次のような場合に限られているのが実情です。
●離婚に合意しているが、病気や事故などの何かしらの理由により調停成立時に出頭できない 場合
●夫婦双方が審判離婚を求めたとき
●合意できない理由が感情的である場合
●わずかな考え方の相違で合意できず、離婚調停不成立になったとき
●一旦は合意したのに急に気が変わってしまった
●子供の親権など、早急に結論を出した方が良いと判断されるとき
異議申し立てをした場合、離婚は成立しません。その場合、どうしても離婚したい場合には、離婚裁判に進みます。
◦離婚したい
「離婚したい・・・」そう思う方、考える方は大変多いのです。 結婚生活というものは、良いことばかりではありません。夫婦として色々な問題や障害もあるでしょう。
すでに仮面夫婦で夫婦仲が破綻している状況、心がすれ違ったまま何年かけても関係修復が難しい家庭内別居状態・・・。 夫婦として修復が難しいのであれば、離婚を決意した方が良いこともあるのです。
●仮面夫婦に疲れたので離婚したい
●慰謝料を取って有利に離婚したい
●他に好きな人ができたから離婚したい
●別居しているので離婚したい
●長年連れ添ってきたが離婚したい
●暴力を振るわれているので離婚したい
●浮気・不倫しているので離婚したい
●性、性格の不一致で離婚したい
●相手との親族とうまくいかないので離婚したい
●生活費を入れない・経済力がないので離婚したい
離婚したい理由の多くは、上記のような事柄です。
法的に認められる離婚理由は、下記の5つです。
●不貞行為
●悪意の遺棄
●3年以上の生死不明
●回復の見込みのない強度の精神病
●婚姻を継続しがたい重大な事由
離婚理由がないと、相手は離婚を拒否するかもしれません。それでも、どうしても離婚を希望するならば、別れさせ屋工作を利用し 離婚できる理由やきっかけを作りだすことです。
◦離婚させたい
自分が好きになった人に、恋人や配偶者がいる場合、別れさせたい、離婚させたいと思う人もいます。
又、第三者的立場から離婚を決断させたいといと思う人もいます。 色々な状況で離婚させたいと思う人もいます。
◦離婚調停の進め方
家庭裁判所へ離婚調停の申立書を提出する。書類は家庭裁判所にあるので、必要事項を記入すればできあがりです。 申立ては有債配偶者からでもできます。離婚調停は関係者以外には非公開でプライバシーも保護されます。
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調停期日が指定された呼び出し状が夫婦それぞれに各1通届きます。調停期日は平日の日中に開かれます。
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調停は原則的には本人の出頭が求められます。
2名の調停委員が入り、話し合いを進める。
夫婦だけではなかなか決まらないことも調停委員が入ることでスムーズに進むようになります。
◦離婚調停の効力
離婚調停で決定した事項は「調停調書」に記載されます。調停調書に記載された内容を 守らない場合は、強制執行することができます。
調停調書作成後は、無効や不服を申し立てたり、取り下げることはできません。 疑問点や合意できない事があれば作成前に話し合い、確認しておきましょう。
離婚調書に記載された時点で離婚成立です。
離婚調書の謄本は、調停終了後に必ず貰うようにしましょう。
◦略奪愛 略奪婚
もしも好きになった人に恋人や配偶者がいるとしたら、アナタはどうしますか?奪ってでも手に入れたいそして できれば結婚したいと思うのが「略奪愛・略奪婚」です。 20^30代の結婚や婚約前の人達に「略奪愛をしたことがある」、「されたことがある」という人は全体の17~20%という結果がでます。 その内の約30%が略奪した相手と結婚あるいは婚約しています。 このように「略奪愛、略奪婚」は多くなっています。
◦離婚裁判訴訟の手続き
離婚訴訟は、一般の裁判と同じで、裁判を起こす側の原告(離婚したい方)が訴状を裁判所に提出して訴訟を起こします。
管轄の裁判所は、下記のいずれかの家庭裁判所で行われます。
●夫婦の住所地の家庭裁判所
●夫婦どちらかの住所地の家庭裁判所
●離婚調停を行った家庭裁判所
●どうしても決まらないときは東京家庭裁判所
訴訟を起こした原告側が、法律で定められた書式に従い訴状を作成し、提出します。
訴状は自分で記入する事も可能ですが、原告の9割以上が弁護士に依頼している現状です。
裁判では法律的な知識が必要ですから、訴状を作成する時点から弁護士に依頼する方が賢明です。
必要な書類は次のものです。
●夫婦関係調整事件不成立調書
●家庭裁判所で調停が不成立で終わったことを証明する書類
●夫婦の戸籍謄本
●訴状2通
また、必要な費用は、
●印紙代
基本的には慰謝料の請求金額に基づきます。
例外として慰謝料なしの離婚請求のみの場合は、一律13,000円と決められています。
印紙代のほかに、訴状などの書類を被告におくるために必要な切手代を、あらかじめ一定額納めなくてはなりません。金額は、 各裁判所で異なることがあります。確認して下さい。
●弁護士に対する報酬
基本的に弁護士報酬は自由となっています。
弁護士に委任したときは、必要な場合以外、本人は裁判に出頭しなくても問題ありません。
◦離婚裁判の様子
裁判離婚では、離婚原因の争点の整理・検証し、双方が準備書面により言い分を主張して、その主張を裏付ける証拠書類の提出や 本人尋問・証人尋問による立証することで裁判官の判決を受けます。
裁判は基本的には公開しています。ただし、 裁判所の判断によって、本人などに社会生活に大きな影響を与えるとなった場合には、非公開で行われることもあります。
第1回目の口頭弁論(言い分主張・証拠提出)は、訴状の提出から約1ヶ月後に行われます。
訴訟の審理は1ヶ月に1回のペースで行われ、争点の整理、証拠の確認、調査官による事実の調査へと続きます。 多くの場合、1~2年の期間を費やし審理を尽くしたところで判決となります。
離婚訴訟の途中で裁判官が訴訟上の和解を提案する場合があります。 裁判で和解に応じた場合には協議離婚となります。 この和解の提案に応じるかの判断は本人の選択になります。(和解離婚) 離婚訴訟中に被告側が、 原告側の言い分を全面的に受け入れて承諾することで離婚が成立する場合があります。(認諾離婚)
和解でも離婚が成立しなかった場合、裁判所は判決を出します。
一審の家庭裁判所の判決に不服な場合、2週間以内に二審の高等裁判所に控訴して継続的に争うことになります。
この2週間以内という期限を過ぎると離婚確定となります。
離婚の判決が下されて、相手方も控訴せず控訴期間(2週間)が経過して判決が確定します。
判決が確定したら、裁判所に確定証明書と判決書謄本を申請しましょう。
下記書類を裁判の確定から10日以内に住所地の市区町村役場に提出すれば、法律上の離婚が成立します。
●離婚届書1通(証人欄の記入は不要)
●戸籍謄本1通
●判決書謄本および
●確定証明書
戸籍法では裁判を申し立てた原告側が届け出ることになっています。
◦離婚裁判で勝つには
裁判で離婚を争うためには、法が規定するような離婚事由(事情と原因)が必要です。この離婚事由を規定する 条文が民法第七七〇条第一項です。
●配偶者に不貞な行為があったとき
●配偶者から悪意で遺棄されたとき
●配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
●配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
●その他、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
離婚訴訟で争う場合には、証拠書類を集めて、必要であれば証人にも出廷してもらい、 夫婦破綻に至る経緯や有責性など主張事実を客観的に立証しなければなりません。
その事実が婚姻関係を破綻させた確かな原因であることを裁判所に認めさせるための説得力のある証拠を提出する必要があります。
●探偵社・調査会社の報告書
●不貞行為を認める手紙やメモ、日記、領収書など
●原告が精神的苦痛や暴力を受けた事を証明する診断書
●被告が暴力を振るった後の破損した物や破られた衣類の写真
●財産分与の対象となる不動産登記簿謄本、銀行預金通帳、生命保険契約書など
自分で不貞の証拠を集めようとしても、手段・方法によっては法律違反を犯していることもあり、証拠能力が問題になる可能性が高く、 裁判所への提出が出来なくなってしまいます。注意が必要です。
◦離婚させる方法